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夏目漱石

現代日本語の革新者 夏目漱石

夏目漱石(なつめそうせき 1867~1916)は、明治維新以後、古典的な和漢混交文を、現代的な文体へと一新した。

明治維新から、いかに日本語が変化していったかは、福澤諭吉(1835~1901)夏目漱石(1867~1916)の、文章を対比してみると、理解しやすい。

夏目漱石の小説作品は、彼の死後100年以上を過ぎても、日本の国語の教科書に掲載され続けている。小学生にまで、遍(あまね)く読書される作家として、国民作家と呼ぶべきだろう。

漱石の小説

漱石の小説作品は、初期、中期、後期、の3つに分けて、理解されている。

初期の小説は、小学生から中学生でも、読書しやすい。滑稽と機知のなかに、物語の面白さを味わうことできる。代表作に「吾輩は猫である」「坊ちゃん」「草枕」などがある。

中期の小説は、個人と社会の関係を、より広く扱っている。代表作に「三四郎」「坑夫」「夢十夜」などがある。

後期の小説は、人間の内面を探求していく。代表作に「こころ」「彼岸過迄」「私の個人主義」などがある。

漱石の俳句

漱石の俳句は、正岡子規と合わせて、語られてきた。

子規との俳句修行が、漱石の切れの良い文体に、影響を与えたと推察される。

また、漢学・英文学という教養の下地を通して、俳句を詠んだ初めての世代としても、注目したい。

漱石の代表句

洪水のあとに色なき茄子かな

名月や十三円の家に住む

曼珠沙花あつけらかんと道の端

教材としての夏目漱石

現代日本語を学ぶにあたって、2つの理由で、漱石は優れた入門になっている。

1つめは、新しい日本語の文体を生みだし、現代日本語の土壌となったからだ。

明治維新からの新しい日本語は(江戸時代にはほぼ存在していなかったので)用法があまり開拓されていなかった。漱石の作品によって、現代日本語がどのように開拓されていったのかを、学習することができる。

2つめは、東洋文化の蓄積と西洋文化の流入を、ていねいに吟味したからだ。

例えば、西洋の自我(self)や個人(individual)の概念を、批判的に検討した点は、見逃せない。

主体的に考え続ける姿勢を、漱石は自己本位(じこほんい)と呼んだ。


夏目漱石 作品一覧

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